[日本映画]SUNNY 強い気持ち・強い愛(2018)

感想

久しぶりの投稿です。3連休の最終日、Amazon Prime Videoのウォッチリストの中から、前から気になっていたこの作品を観ることにしました。

話の中心は、ミニスカートとルーズソックスの女子高校生ブームの90年代半ば。自分の高校時代より4、5年後ですが、それでも日本中が女子高生中心に回っていたあの頃の雰囲気をよく覚えています。

「オバサンになった女性たちが、コギャル時代の仲間を探して再開する、篠原涼子が主役の映画」くらいしか前知識がない状態でしたが、小室ミュージック全盛のあの時代も大好きなので、懐かしみの感情も持って、期待して観始めました。

結果、想像以上に笑いあり、涙ありのハートウォーミングな作品で、とてもお気に入りの1本になりました。

※これより先は、ネタバレを少々含むので注意してご覧ください

あらすじ

時は2018年ごろ。専業主婦の阿部奈美(篠原涼子)は、母の見舞いに来た病院で偶然、高校時代を共に過ごした伊藤芹香(板谷由夏)を病室で見つける。20数年ぶりの再会だったが、芹香はなんとガンで余命1か月を宣告されていた。そしてコギャルだったあの頃の仲間、6人組の“SUNNY(サニー)”のメンバーに会いたいと仲間探しを奈美に託す。最初に見つけた梅(渡辺直美)までは順調に思えたが、その後は意図的に身を隠しているのではないかというほど人探しは難航し、探偵を雇うことに。。それぞれの事情や悩みを抱えた元コギャルたちは、再会を繰り返す中で長い間忘れていた大切な何かを見つけていく。。

良かったところ

観終わってから調べて知ったのですが、この映画は2011年の韓国映画「サニー 永遠の仲間たち」の日本版リメイクだそうです。どおりで人気のあった作品らくし、ストーリーやキャラクター設定がしっかりしていて、どんな人の心にも響くすっきりした感動が味わえます。完全に青春友情ものですが、歌ありダンスありで、さながらインド映画のような陽気さが作品全体に流れていました。

そんなわけで、突然踊り出したり、過去の人物と現在の人物がクロスしたり、非現実的な描写はいっぱいあるのですが、全然無理やり感がなく、むしろ登場人物の心象風景を見事に描いていてテンポよく進んでいく感じがよかったです。

そして高校時代の時代背景は、茶髪、日サロ、ピアスと、ミニスカ、ルーズソックスの制服姿で渋谷を闊歩するコギャルブーム真っ只中。その描写がリアルで、今時の若手女優さんたちが演じても全然違和感がなく、ついこの前のことだったように思い出されました。

音楽もアムロ、globe、TRFなどのTK(小室哲哉)ミュージックや、久保田利伸、オザケン(小沢健二)など、時代を代表する軽快なJ-POPに溢れていて、音楽好きの僕としてはニヤニヤしながら観賞してました。特にジュディマリの「そばかす」もかかっていて、ファンクラブに入っててコピーバンドも組んでいたあの頃の自分が思い出されて、嬉しく思いました。

演技も秀逸で、前知識なく観た自分にとって、高校時代の奈美を広瀬すずが演じてたのは超ラッキーでした。「ちはやふる」「チア☆ダン」「なつぞら」、、など数え上げたらキリがないですが、本当にかわいい上に実力派女優で安定感抜群ですよね。好きな若手女優ナンバー1です。

広瀬すずは、まず阪神淡路大震災をきっかけに東京に出てきた淡路島出身の女子を演じるわけですが、本当にダサくて何も知らない、田舎っぺ感が存分に出ていて笑えました。そしてライバルグループにキレて白目をむいて向かっていくスローモーションのシーンは、「ここまで自分を捨てて大丈夫なの?」と心配するほどの笑える名演技でした。最初はなかなか打ち解けなかったモデルの奈々役、池田エライザのミステリアスぶりや、高校時代のデブの梅役、富田望生(それにしても広瀬すずとの共演多いなぁ)の恥を捨てたお調子者の役回りもすごくよかったですが、やはりSUNNY6人全員の本当に楽しんでいる生々しい演技全体が、観ている側も笑顔にさせてとても良かったです。

この前亡くなってしまった三浦春馬くんも出ていたのは驚きました。この作品にも?あの作品にも?という感じで、本当にいろんな作品で見かけますし、どの役も違うキャラクターながら完全にハマっていて、本当に惜しい方が亡くなってしまったなと残念に思います。信じたくありません。。

という感じで基本的には楽しい描写が多いですが、ふと現実に戻ると目の前に仲間の死が迫っているというその対比が、ところどころに観るものの涙を誘います。「友情っていいなぁ」「今の自分は思いっきり笑えているかな?」といろいろな思いを与えてくれるこの作品、多くの人に見て欲しい作品です。

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