[日本映画]えんとつ町のプペル(2020)

感想

お笑いコンビ、キングコングの西野亮廣さんが製作総指揮・原作・脚本を手掛けた、アニメ映画「えんとつ町のプペル」を劇場に観に行ってきました。前評判でかなり期待して行って、さらにその期待以上のクオリティで、最高に泣けて素晴らしい映画でした。

※これより先は、ネタバレを少々含むので注意してご覧ください

あらすじ

えんとつだらけの町。ここではいつも空が煙に覆われていて、誰も煙の向こうに何があるか知らないし、知ろうともしない。知ろうとすることも禁じられているのだ。ある日空から赤く光る心臓が、ゴミ収集場に落ちて、ゴミ人間(声:窪田正孝)が生まれる。ゴミ人間は、町でえんとつ掃除屋として働く少年ルビッチ(声:芦田愛菜)と出会い、プペルという名前を付けてもらい、友達になる。1年前に父親を亡くしたルビッチは、父が作って町の子供達に読み聞かせていた紙芝居の「煙の向こうには輝く星がある」という話を信じてる。が、それが漏れて町の秩序を守る異端審問官たちに、プペルとともに執拗なまでに狙われることに。。どうやらこの町には触れてはいけない秘密があるようだ。ルビッチとプペルは町の人々に本当のことを知ってもらうためにある計画を立てるが。。

良かったところ

全ての要素が素晴らしく、文句のつけようも無い素晴らしい作品でした。子供から大人、年配の方まで安心して見ることのできる、大きな共感と感動を与えてくれる濃密な作品でした。いくつかの観点に分けて感想を述べさせてもらいます。

ストーリー

話自体は、キンコン西野くんが脚本&監督となって完全分業制で2016年に制作した絵本「えんとつ町のプペル」が元になっています。5,000部売れればヒットと言われる絵本業界で、この本は50万部以上も売れており、絵本の世界に革命を起こした作品です。その辺のエピソードはオリラジのあっちゃんと雨上がり決死隊宮迫さんのYouTube番組「Win Win Wiiin」で詳しく語られていますので、興味のある方はご覧ください。最高に面白い神回です。

絵本は全てのページがWebで公開されていて(絵本は内容が知られてから初めて親が買うから。だそう)、僕はその話も読んだのですが、かなり異なるものになっています。

絵本では無い設定ですが、映画では町を治める白装束の集団があり、必死に世界(町)の秘密を守るべく統制を保っています。また、えんとつ掃除職人たちとの交流やスコップ(声:藤森慎吾)と出会うことで物語後半の作戦がより壮大になっていきました。ルビッチとプペルの友情を育む時間経過も丁寧に描かれており、ミステリーの要素、ドラマ性、メッセージ性が混じったスピード感のあるストーリー展開になっています。

映像

今回の作品は、スタジオ4°Cというアニメスタジオが製作しているのですが、全体的に2次元と3次元の中間のような味のあるタッチで描かれていて、作品にマッチしているし愛着が持てます。建物や乗り物、町の風景も、漢字を使った日本的な要素もあり、中国の路地裏的な雑多な風景がいろいろ出てきて世界観だけ見ても興味深いです。

カメラワークも実写の映画作品のように俯瞰やズーム、パンやティルトのような動きのあるシーンの連続で、緊迫感のあるドキドキする映像になっていて、とても迫力があります。

キャラクター・声優

それにしても、なんと言っても魅力あるキャラクター達がこの作品にグッと感情移入させてくれます。

母親思いで実は怖がりだけど、強く生きようと一人で頑張るルビッチ。臭いゴミ人間を優しく毎日お風呂で洗ってあげたりもします。芦田愛菜ちゃんの声がバッチリハマっていて、本当に幼い少年の声が感情豊かに表現できてました。さすがです。

そしてプペルは、どんなに世間から非難されてもボロボロになっても相手のことを考える無償の優しさを持っています。とぼけた結構抜けている性格を、NHKドラマ「エール」でも見せたあの感じの雰囲気で、窪田正孝くんがうまく演じています。

豪快だけど不器用なプルートも気に入ったし、炭鉱泥棒のスコップを演じる藤森くんの滑舌のいい一方的なマシンガントークが、この作品をコミカルに元気に引き上げていてとても気に入りました。

観終わった後、売店にそれぞれのフィギアなど売っていれば絶対に欲しかったのですが、さすがにそれはありませんでした。残念。

まとめ

愛情、友情、夢、信じる力、あきらめない心、、いろいろな想いが詰まっていて涙を誘いました。

舞台挨拶の動画でも西野くんが言っていましたが、今、世界中の人々が新型コロナウイルスの影響で「誰も見ていない」その先を模索する挑戦者になっており、なんとしても答えを見つけ出す信じてあきらめない心が大切になっています。夢や希望を持つ全ての人々への応援映画になっていますので、是非多くの人に見て欲しいと思います。

これから世界での上映も視野に入っているようですし、ジブリに続くような日本の代表的な作品になるんじゃないかと、個人的には思っています。これからの西野くん周りの動向も楽しみです!

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