[書籍]死ぬときに後悔すること25(大津秀一) 〜第一章 健康・医療編〜を読んで思うこと

感想

「死ぬときに後悔すること25」(新潮文庫:2013年)という書籍を読みました。

著者の大津秀一さんは、緩和ケアという終末期の患者さんの心身の苦痛を取り除くのを専門とする医師で、1000人を超える多くの死にゆく人と向き合って来たそうです。そして、程度の差こそあれ、ほとんどの患者さんが後悔の念を持っていて、それを大別して25の後悔にまとめたのが本書とのことです。

この本は僕の奥さんが買っていて、何気に家の本棚にあったのが目について読み始めました。だって、「後悔しないよう思い切り楽しく生きたい」と日頃思っている僕としては、後悔しそうなことをあらかじめわかっておけば、早くからそれを回避して心置きなく笑顔で天国にいけるんじゃないかな?と直感的に思ったからなんです。そしてこの本はまさしくそんな目的のために書かれた本でした。


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具体的なエピソードというよりは、一つ一つの後悔について、著者の持論と一般的なデータを交えて、読者に心の持ちようや行動のあり方を提案するようなスタイルの本でした。

僕としても一つ一つ思うところがあったので、今回はそれぞれの後悔について、著者の意見の紹介だけでなく、僕の考えをまとめることで、皆さんも一緒に自分の生活や考え方を見つめ直すいい機会になればなと思って記事にすることにしました。

25はとても長いので、全6章を1章づつ紹介・考察していければと思います。

今回は「第一章 健康・医療編」ということで、このような内容になっています。

後悔1)健康を大切にしなかったこと

やはり病床について初めて、人は健康の大切さにあらためて気がつくようです。

日頃の不摂生や無茶な生活が病気につながるわかりやすいケースもあれば、がんのように因果関係が分からず発生してしまうものもあります。

著者の考えとしては、「健康なうちから健康を大切にする」ことが大事ということです。けれど日頃から些細な体調変化を気にしすぎてサプリ摂取などに走っても、心が疲れて不健康になってしまうので健康は「最低限」に大切にして生きるべきだということです。

そしてがんは進行してから見つかっても、抗がん剤治療などで延命しても根本的治療ができず結局死に至ってしまうことが大半なので、早期発見がとても大切とのことでした。健康診断や自治体のがん検診を利用して、完治ができる早い段階でがんを見つけましょうという内容でした。

僕はというと、もともと体は丈夫な方なのと、楽観的な性格なので、今思えば恥ずかしながら「健康を気にしないことが健康」なんて勝手なポリシーを持って生活してきました。

けれどこの本を読む半年くらい前から、コロナ禍もあり通勤が無くなって体を動かさなくなったのを機に、意識して「早寝・早起き・朝散歩・過食の自制」を始めました。すると日中は眠くないし、頭はスッキリするし、体も軽くて気持ちもとても前向きないい感じが続いています。

なので、僕も結局は著者と同じなのですが、言葉を変えていうと「何事にも体が資本なので、健やかに楽しく生きるためにも健康習慣は大事。無理なく続けられるよう習慣化の仕組みを作りましょう」そして「いつ当事者になるか分からないがんに備えて、がん検診は定期的に受けるよう頭に留めておこう」というのが、この節を読んで思ったことでした。

ちなみに健康の習慣化でいうと「みんチャレ」というアプリがすごくおすすめです。このおかげで同じ目的の仲間と一緒に健康習慣が定着化できました。

後悔2)たばこを止めなかったこと

たばこがはっきり原因とまでは言えなくても、病気のリスクを増大し、死病となって「たばこを止めればよかった」と泣きそうな患者も多いそうです。

著者は寛容な考えの持ち主なので、吸うことも自己決定権なので一定の理解はしつつも、「縮めなくて良い寿命を縮めてしまう可能性がある」「本来なくてもいいはずなのに、たばこがないと人生つまらないと感じてしまう」という理由で禁煙を勧めています。

僕も実は以前は長いことたばこを吸っていました。成人したあたりから20年近く毎日一箱は吸っていましたね。なので、喫煙者の気持ちもすごくわかるのですが、本当にやめて良かったと心から思っています。

やめた今だから言えることは「たばこは時間とお金の無駄。その時間とお金を楽しく前向きな別のことに使おう」ということです。

僕も禁煙には苦労して何回も挫折しました。最終的にはこの本「読むだけで絶対やめられる禁煙セラピー 」でやめることができました。

要は、喫煙者にいくら「健康に悪いよ」と言ってもそれを承知で止められないわけで、いかに自分がたばこの奴隷になって貴重な時間やチャンスを失っているかを気づかせてくれる内容になっています。

なのでまず自分の心を強く変えていき、徐々に本数を減らしつつ、これぞというタイミングで最後の1本を決意を込めて存分に吸う感じです。

自分は関東から関西に引っ越すその当日に最後の1本を吸って以来、何年も一度も吸っていません。

後悔3)生前の意思を示さなかったこと

生前の意思は「リビングウィル」とも言って、人生の最終段階(終末期)を迎えたときの医療の選択について事前に意思表示しておくことらしいです。

よくドラマや映画では終末期の患者が、家族と手を取り合ってじっくり今後のことや治療のことを話し合う感動のシーンがありますが、実際には、急激に容態が悪くなったり、患者本人も健康なときのように頭がクリアに回らず赤ちゃんのようになってしまうので、そういった意思疎通は事実ではないとのことです。

厚生労働省の終末期医療に関する一般の人の意識調査では、植物状態で直る見込みがない場合、それが家族だったら「延命治療はやめるべきである」と答えたのはわずか15%(=延命させたいと考える人が多数)だが、自分が植物状態だったら「延命治療はやめるべきである」と答えたのは33%(=延命しなくて良いと考える人も多い)でおよそ20%の差異が存在するそうです。

つまり自分のことであれば迷惑もかけたくなくて余計なことはしてほしくないが、家族が亡くなるのは忍びないのでできるだけ長く生きてほしいと思うそうです。これには僕も納得です。

でもいざ自分に死期が迫った場合、家族との十分な意思疎通が取れず、家族が自分たちの考えを最優先に本人の望んでいない延命治療を続けることが多いそうです。

このようなことにならないための著者の提案は、あらかじめ代理人を決めておき、自分の意思をしっかり伝えておく。文章にしておくのがもっと良いとのことでした。

僕もこの節を読んで思ったのは、このような話を家族と全くして来なかったなということと、ここでは治療方針の話だけに特化していましたが、実際は死んでからの自分の身辺のことや家族へのメッセージもまとめておくのが重要だと思いました。

事実、自分も数年前に父親を無くしましたが、生前にそのような意識合わせはできませんでした。また金銭のことを含む身辺整理・遺品整理がとても大変だったので、健康なうち(と言っても歳をとってからでいいと思いますが)に「エンディングノート」に色々自分の意思や重要な情報(銀行口座、保険、PCアカウントなど)、家族へのメッセージを残しておくべきだなと思いました。

みなさんは最近話題になっている「エンディングノート」はご存知でしょうか?元々は家族にために普通のノートに自分の人生の終末について記すことでしたが、今ではそのための特別なノートがいっぱい売っています。僕も先日書店で見てみたら、本当に色々なノートが売っていて驚きました。是非書店で相続のコーナーなどを覗いてみてください。

後悔4)治療の意味を見失ってしまったこと

これも説明なしには、タイトルからはわかりにくいテーマだと思います。「後悔3)生前の意思を示さなかったこと」にも大きく関連するのですが、よく自分でも判断できないままに流れで延命治療に進んでしまって、その残された期間の意味をよく検討したり答えを出したりしないまま死期を迎えてしまうような後悔です。

「ただ長く生きること」が最上の目的ではないと著者は言います。残された時間をより良く有意義に過ごすために治療があるので、死が不可避となれば、延命に見切りをつけ、体が動くうちに自分のしたいことを成し、家族と良い時間を過ごすことを選ぶのも良いという話でした。

ただ「延命」治療をするだけでは病気の進行による苦痛に加え、抗がん剤の副作用で苦しむばかりで、長く大事な時間を失ってしまいます。治療を続けていたらいつの間にか死期が迫っていたということに後悔する人も多いと言います。

ですから、人生の中でしっかり自己実現を考え、来るべきその時にどのような選択をするのか、自分の中で納得のいく考えを持っておくことが大事だと感じました。

冒頭でも話したように、僕は日頃から「後悔しないよう思い切り楽しく生きたい」と思っています。この節を読んでより意識するようになったし、無計画に楽しむのではなく、より計画的に挑戦的にしたいことを成し遂げたいなと感じました。

これに通じる言葉で僕が大好きな言葉を書いておきます。

Live as if you were to die tomorrow. Learn as if you were to live forever.

明日死ぬかのように生きなさい。永遠に生きるかのように学びなさい。

マハトマ・ガンジー(インド独立運動の指導者 1869-1948)

まとめ

いかがでしたでしょうか?今回は「死ぬときに後悔すること25」という緩和医療医 大津秀一さんの書籍のうち、 「第一章 健康・医療編」を読んで思うことをまとめさせていただきました。

内容は次の4つでした。

  • 後悔1)健康を大切にしなかったこと
  • 後悔2)たばこを止めなかったこと
  • 後悔3)生前の意思を示さなかったこと
  • 後悔4)治療の意味を見失ってしまったこと

今回は第一章、4つの後悔までの紹介でしたが、タイトルの通り、あと21の後悔が残っています。


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どのテーマも興味深く、タイトルをあげるだけではうまく伝わらないと思うので、また章ごとに別の記事として、著者の考えと僕の考えを同時にお伝えしていければと思います。

ちなみに章立ては以下のようになっています。

  • 第一章 健康・医療編
  • 第二章 心理編
  • 第三章 社会・生活編
  • 第四章 人間編
  • 第五章 宗教・哲学編
  • 第六章 最終編

また近いうちに残りの部分も書いていきたいと思いますので、その日までお待ちいただければと思います。

最後まで読んでいただいて本当にありがとうございました!

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