以前「死ぬときに後悔すること25」(新潮文庫:2013年)という本を読んで、興味深く考えさせられることが多かったので少しずつ感想を書いています。
著者の大津秀一さんは、緩和ケアという終末期の患者さんの心身の苦痛を取り除くのを専門とする医師で、1000人を超える多くの死にゆく人と向き合って来た方です。そして、程度の差こそあれ、ほとんどの患者さんが後悔の念を持っていて、それを大別して25の後悔にまとめたのが本書です。
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前回「[書籍]死ぬときに後悔すること25(大津秀一) 〜第一章 健康・医療編〜を読んで思うこと」という記事を書いて、4つの後悔について紹介と僕の意見をまとめました。
今回は「第2章心理編」に記載されている6つの後悔を紹介しようと思ったのですが、僕もコメントしたいことがいっぱいあって、とても1回で紹介しきれないと思ったので、予定を変更して今回は後悔の5つ目「自分のやりたいことをやらなかったこと」について、著者の持論と僕の個人的な意見を書かせてもらおうと思います。
ちなみに第二章 心理編は六つの節に分かれていて
- 後悔5) 自分のやりたいことをやらなかったこと
- 後悔6) 夢をかなえられなかったこと
- 後悔7) 悪事に手を染めたこと
- 後悔8) 感情に振り回された一生を過ごしたこと
- 後悔9) 他人に優しくしなかったこと
- 後悔10) 自分が一番と信じて疑わなかったこと
となっています。
後悔5) 自分のやりたいことをやらなかったこと
この節では著者はあまり具体的なエピソードは書いていません。他では病室で言われた患者さんからの台詞を引用して話を進める形が多いですが、ここでは等しく皆が言い残した言葉「人生はあっという間であった」という言葉だけが引用されています。
著者曰く、日本人は「忍従」に生きる人が多すぎるとのこと。
「忍従」とは、辞書を引くと「じっと我慢して、境遇のままに服従すること」とありますが、日本人は鬱による自殺が多いことからもわかるように、ひたすら我慢に我慢を重ねる民族的性質がベースにあるとのことです。
著者としては「予定調和ばかり気にして、あるいは周囲と和することばかり考え、空気を読みすぎるのは明らかに精神衛生上良くないし、そのような無形の長年のストレスが病気を生む可能性もある」「だからやりたいことは普段からどんどんやるようにし、他人に(なるべく)迷惑をかけないという前提で、もう少し好き勝手に生きてみても良い」のではないかという意見でした。
僕の意見も基本的に同じなのですが、より強い意味合いで「日本人はもっとオープンマインドに、もっと自分のやりたいように生きた方がいい!」と思っています。
まず「もっとオープンマインドに」に関して、僕は時々外国の方との交流会(ランゲージエクスチェンジ)に参加したり、職場に外国人も多いのですが、海外の方はオープンマインドな方が多いです。
オープンマインドの正確な定義は聞いたことがないですが、「自分をさらけ出していて、多様な意見を寛容に受け入れる心の持ち主」のようなポジティブな意味です。
僕は数年前から意識して自分自身、オープンマインドであろうと心がけています。そう心がけると、人との出会いに積極的になり、新しいことに好奇心を持って楽しんで挑戦できるようになりました。
事実、以前は僕も仕事関係で鬱っぽくなり、自律神経失調症と診断されて数週間休んだ経験があるくらい、ストレスを感じていたのですが、徐々にオープンマインドな考え方に変えてみたら、何事もポジティブに捉えられるようになって、結果、今はストレスフリーに近い状態で毎日楽しく生活できてます。もちろん毎日の仕事のプレッシャーはありますけど、業務後は引きずりません。
是非多くの人にオープンになることをお勧めします。
そして次に「もっと自分のやりたいように生きた方がいい!」という部分について。
著者は、少し好き勝手に生きることをお勧めする理由として、精神衛生上とかストレス回避と言う言葉を使っていましたが、僕はそのような、ネガティブ要素を回避するような安全策というよりも、一度しかない貴重な人生だから、限られた時間を大切に、やりたいことを欲張って挑戦した方がいいという、より積極的な理由でそのように思っています。
前回も書きましたが、「後悔しないよう思い切り楽しく生きたい」というのが自分の生き方の最大の目的になっています。ということは、この節のこの「自分のやりたいことをやること」というテーマこそ、今の自分が大事にしている、一番思い入れのある内容だと思います。なので、もうちょっと詳しく自分の意見をコメントさせてもらいますね。
一度しかない人生、本当に「時間」だけはいかなる人にも平等で、お金を持ってる人もお金のない人もすべてに「時間」だけは同じです。その限られた人生をいかに生きるか、ということは非常に重要な問題だと考えています。この問題に対し、僕はこの数年、いろいろなビジネスパーソンの本やYouTubeを見てきて、「自己実現こそが人生の最大のテーマ」と考えているんです。
著名な心理学者マズローの欲求5段階説でも、一番頂点に「自己実現欲求」がありますね。ご存知ない方は、是非「マズロー 欲求5段階説」で検索してみてください。簡単に書くと
第1段階「生理的欲求」
生きるために必要な、本能的な欲求。「食欲」「睡眠欲」など。
第2段階「安全欲求」
安心・安全な生活の欲求。
第3段階「社会的欲求」
家庭や友人、会社など集団への帰属や愛情を求める欲求。
第4段階「承認欲求」
他者から尊敬されたい、認められたいと思う欲求。「出世欲」など。
第5段階「自己実現欲求」
あるべき自分になりたい、自分らしく生きたいと願う欲求。
となっています。こんなことも学び、ますます自分の中で「自己実現こそが人生の最大のテーマ」の確信が高まってきています。
でも自己実現というと一つの大きな夢や目標を人生の最後までに達成する、最終目標っぽくないですか?
そう考えてしまうと、多くの人が飛び抜けた才能がないことや破天荒な挑戦ができていない自分の人生を諦めてしまったり、好きになれなくなってしまうかもしれません。
僕は、人生の中で一つの大きな夢や挑戦が見つからなくても、たくさんの好きなこと、やりたいことを見つけて、一つ一つ、できる限り実現していくのもまた、自己実現だと信じています。
そして、その成果が重要なのではなくて、それを実現するための過程や勉強自体、つまりは自己成長とも言える「自分磨き」の行動と、さらにはその「自分磨き」を楽しむ考え方が重要だと考えています。
そういう考えを持ったきっかけの一つに、以前、「最高の人生の見つけ方」という映画を観たことがあります。とても感動する作品でした。
大病を患った男性2人が、意気投合してそれぞれのやりたいことを書き出して、余生をやりたいことをやるために過ごす、というとても心温まるストーリーでした。
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原題は「The bucket list」と言います。バケットリストと言うと日本人には馴染みのない言葉ですが、海外では非常に一般的です。意味は死ぬまでにやりたいことのリストのことです。
僕はこの映画を見て自分のバケットリストを作ってみました。例えば、英語のドラマを見れるようになる。ギター演奏が上手くなる。海外勤務を経験する。ヨーロッパ旅行をする、などです。恥ずかしいから全部は書けないけれども、こういったことを実現してみたいと思っています。
こうやって、書き出して、大体の実現順位を考えて、その直近の目標について必要な予算やスキルを書き出して、逆算すれば、次にやるべきこと、時期、方法は明らかになってきます。
自分の目標のためだから、やらされ感もなく、楽しんで一個一個クリアしていくのは気持ちのいいものですよ。これを読んでるみなさんも、この機にバケットリストを作成して、具体的なアクションに落とし込んで行動を始めてみませんか?
ちょっと個人的見解が強すぎておせっかいな文章になってしまったかもしれませんね。
でも、是非「もっとオープンマインドに、もっと自分のやりたいように生きよう!」というのは多くの人にお勧めしたいですね。
前回と同じ展開ではありますが、今回の話に通じる僕が大好きな言葉を書いておきます。
Live as if you were to die tomorrow. Learn as if you were to live forever.
明日死ぬかのように生きなさい。永遠に生きるかのように学びなさい。
マハトマ・ガンジー(インド独立運動の指導者 1869-1948)
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は「死ぬときに後悔すること25」という緩和医療医 大津秀一さんの書籍のうち、 「第二章 心理編」から「後悔5)自分のやりたいことをやらなかったこと」を読んで思うことをまとめさせていただきました。
今回は一つだけの紹介になってしまいましたが、タイトルの通り、あと20の後悔が残っています。
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どのテーマも興味深く、タイトルをあげるだけではうまく伝わらないと思うので、また章や節ごとに別の記事として、著者の考えと僕の考えを同時にお伝えしていければと思います。
ちなみに章立ては以下のようになっています。
- 第一章 健康・医療編
- 第二章 心理編
- 第三章 社会・生活編
- 第四章 人間編
- 第五章 宗教・哲学編
- 第六章 最終編
そして今回ご紹介が途中になってしまった「第二章 心理編」は以下の内容が含まれます。
- 後悔5) 自分のやりたいことをやらなかったこと
- 後悔6) 夢をかなえられなかったこと
- 後悔7) 悪事に手を染めたこと
- 後悔8) 感情に振り回された一生を過ごしたこと
- 後悔9) 他人に優しくしなかったこと
- 後悔10) 自分が一番と信じて疑わなかったこと
また近いうちに残りの部分も書いていきたいと思いますので、その日までお待ちいただければと思います。
最後まで読んでいただいて本当にありがとうございました!
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