[英語の基礎:語彙編(2)]英単語は品詞と接尾辞/接頭辞で効率よく覚える

英語

こんにちは。以前「英語をマスターする近道」というタイトルで、英語を楽しく効率的に身につけるために僕なりに大切にしているポイントを紹介しました。今回は、その中の「スキル:基礎力をつけながら、読む、書く、話す、聞くを日々継続する」について、特に基礎力の要素である語彙力(=英単語を身につける力)のことを話します。

前回、僕が実際にやって効果的だった英単語を身につけるテクニックの1つ目「英単語本は買わずに無料英語サイトで英単語を身につける」の紹介をしました。

今回は、2つ目のテクニック「英単語は品詞と接尾辞/接頭辞で効率よく覚える」というテーマでお話しさせてもらいます。

テクニック2)品詞と接尾辞/接頭辞で効率よく英単語を覚える

品詞と接尾辞/接頭辞で効率よく?とはどういうことでしょう。

まず、「品詞」について言いたいのは、英単語と言っても何千語もあるわけで、そんなものが頭の中の何も仕切りのない空間に無秩序に覚えるのは難しいです。だから名詞とか動詞とかいった違う引き出し、もしくは整理箱に区分けして覚えるといいよという話です。今の人にわかりやすく言えばタグ付けする感じかな?

効能は他にもあります。文法が厳格な英語では品詞によって英文の中で使われる位置が違います。それを意識しましょうということです。

そして「接尾辞/接頭辞」についてはあまり聞きなれない言葉かもしれませんが、単語の後や、前にくっついて別の意味を作ったり、別の品詞に変化させるものです。例えばact(行動する:動詞)に「〜ion」がくっついてaction(行動:名詞)になったり、birth(誕生:名詞)に「re〜」がくっついてrebirth(復活:名詞)になったりですね。

では見ていきましょう。

品詞を意識しよう

日本語は、文法がとても柔軟な言語です。「が、の、を、に」などの助詞が文章の主語や目的語を作るので、極端な話「私はここにいる」でも「ここに私はいる」でも「ここにいる。私は」でも意味を把握できます。

でも英語には助詞はないので、語順が全てです。以前「[英語の基礎:文法編]英語の文法(ルール)をざっくり把握する」でも書いたように、全てS(Subject:主語)+V(Verb:動詞)+O(Object:目的語)で表現します。なので文章の組み立てが超〜重要なわけですが、英単語を、名詞、動詞、形容詞、副詞といった「品詞」を意識して覚えておくと、感覚的に「動詞だから主語に使えない」とか「形容詞だけでは主語に使えないとか」そういったことが感覚的にわかるので、文章が組み立てやすくなります。

頭の引き出しにも、品詞を意識して覚えておくと、記憶しやすいです。それぞれの品詞がどういう役割で、英文のどの位置に使うか/使われるかを意識しながら読んでみてください。

名詞

名詞は、主語(S)や目的語(V)になります。具体的なものや、形のない概念や行動を表す言葉ですね。

英語の文章には必ず先頭に主語(※1)が含まれていて、主語を構成する句には必ず主役の名詞(※2)が含まれています。
※1 時間や場所(In London, など)を示す副詞節や副詞(Suddenlyなど)を除いた場合
※2 不定詞(To swimなど)や動名詞(swimmingなど)はそれ自体を名詞と捉えた場合

The bird was blue. The blue bird was small. The blue bird which I saw yesterday was small.

当然覚えていると思いますが、特定の人や地域をしめす固有名詞については必ず先頭が大文字になりますね。SuzukiとかJapanとか。

また、英語は日本語のように明確に品詞が分かれているわけではないので、動詞の意味を同時に持っているものも多いです。例えばnameは「名前」(名詞)ですが、同時に「名付ける」(動詞)の意味も持っています。他にはemaiはl「Eメール」(名詞)は「Eメールを送る」(動詞)という言葉としても使われます。

まぁ、英文の中で知っている名詞が、動詞の位置で使われていたら、「〜する」という意味で動詞の役割をしているかもしれませんので、そのように読み替えて焦らずに理解してみましょう。

動詞

動詞は、名詞と同じく、文章の中で必ず使われるものですね。人やものの行動や動きを表す言葉です。

英文では必ず主語(句)の後に来ます。副詞が入るパターンもありますが、それは副詞のパートを読んで見極めてください。

英文は主語を省略することはないので、主語+動詞で「●●が、○○します。」と言えて、それ以降の単語は全て目的語(句)になります。なので、長文読解が苦手な方は、まず動詞を探した方がいいですね。それ以前が主語で、それ以降が目的語ということになります。

あと、他の品詞と違うのは、変形すると言うことですね。過去形、過去分詞形、現在進行形、三人称といった感じで。むしろ文章は現在形で語られることは少ないので、変形の方が多いかもしれませんね。助動詞(can, will, must, should等)+ 動詞の原型の場合は別ですが。。

同じspeak(話す)で羅列してみます。He spoke. (過去形)/ He has spoken. (過去分詞形)/ He is speaking. (現在進行形)/ He speaks. (三人称)/ He can speak. (助動詞 + 動詞の原型)

Web英単語辞書を調べて、動詞だったらこの変化形の項目も調べて、同時に覚えてしまうのも手です。

逆に、例え知らない英単語であっても、文章の中で動詞を見つけるのは、これらの手がかりがあるから簡単とも言えますね。

ちなみに英文を読んで、頭の中で日本語に翻訳して置き換える作業があると思います(慣れてくると変換が速くなったり不要になってきます)。日本語は動詞が一番最後なので、わざわざ日本語的に「●●が、▲▲を○○します」と考えがちですが、ここは英文と同じ順序で「●●が、○○します。▲▲を」の方が混乱しなくて簡単ですよ。

形容詞

形容詞はものを修飾するものなので、名詞の前に使います。

a blue bird. a beautiful lady. the brown dog.

またはbe動詞(am, is, are)の後に使います。これは正しい文法で言うと補語と言って目的語とは違うようですが、難しいことは考えなくてOK。とにかく主語とイコール(A = B)の状態と言うことでbe動詞の後に使います。

The man is tall. She is beautiful. I am busy.

形容詞+名詞で一つの名詞句を作るので、そういう意味では、英語の文章の中では動詞以外の場所ではどこでも出てきますね。

A big bird caught a small bug. (大きい鳥が小さい虫を捕まえた)

副詞

さて、面白いのがこの副詞です。多くの副詞が、接尾辞に「〜ly」がついているので、分かりやすいと思います。副詞は名詞以外の語や、文章全体を修飾します。

動詞を修飾する場合はその後に付きます。

He speaks naturally. (彼は自然な感じで話す)

形容詞の表現を広げる場合はその前に付きます。

She is very kind. (彼女はとても優しい)

文章全体を修飾する場合は、主語の後、または文頭や文末に付きます。

He completely explained the difficult topic.
Completely he explained the difficult topic.
He explained the difficult topic completely.
(彼はその難しい話題を完璧に説明した)

これだと副詞はどこに付いてもおかしくないのですが、要はその副詞が何を修飾しているのかを気にして読んだり使ってくださいね。

接尾辞(suffix)で推測しよう

さて、次に接尾辞(suffix)で英単語を推測したり、合わせ技で覚えることを話していきます。

接尾辞は元の単語をより細かく表現したり、品詞を変えたりします。これも品詞ごとに分けて主なものを紹介していきたいと思います。

名詞を作る接尾辞

接尾辞意味
-an/-ian人々Christian(キリスト教信者)
musician(音楽家)
-ee〜された人employee(従業員)
attendee(出席者)
-er/-or人、〜するものswimmer(泳ぐ人)
editor(編集者)
-ist主義者、する人egoist(利己主義者)
pianist(ピアニスト)
-ic/-ics学問electronics(電子工学)
mathematics(数学)
-logy学問psychology(心理学)
biology(生物学)
-ism主義modernism(近代主義)
traditionalism(伝統主義)
-ion/-sion/-tion(名詞化)action(行動)
emotion(感情)
-ment(動詞を名詞化)announcement(発表)
harassment(いやがらせ)
-ness(形容詞を名詞化)happiness(幸福)
tenderness(優しさ)

特に最後の-ment, -nessなどは、かなり応用がきいて意味を推測しやすいと思います。いくつか羅列しますので、考えてみてください。答えは載せませんが、多分あっていると思います。

treatment, agreement, adjustment, commitment, government, loneliness, kindness, weakness, toughness…

動詞を作る接尾辞

接尾辞意味
-en〜の状態にするshorten(短くする)
brighten(明るくする)
-fy/-ify〜化するjustify(正当化する)
simplify(単純化する)
-ize〜化するrealize(実現する/理解する)
synchronize(同調する)

動詞によく見る接尾辞はあまりないですね。やはり名詞と同様、言語のもっとも原始的な単語だと思うので、その分バラエティに富んでいて、どちらかというと色々な単語の語源になっているものが多いと思います。

形容詞を作る接尾辞

接尾辞意味
-able〜できるunderstandable(理解できる)
reliable(信頼できる)
-al〜に関するglobal(世界的な)
formal(公式の)
-ical〜的なfinancial(金融の)
commercial(営利的な)
-ic〜的なautomatic(自動的な)
romantic(空想的な)
-ful〜に満たされたbeautiful(美しい)
wonderful(すばらしい)
-ish〜に似ているboyish(男の子っぽい)
childish(子供っぽい)
-ive〜の性質を持つactive(活発な)
attractive(魅力的な)
-less〜の無いhopeless(絶望した)
careless(不注意な)
-ous〜に満ちているglamorous(魅力に満ちた)
humorous(ユーモアのある)
-y(形容詞化)sleepy(眠い)
rainy(雨降りの)

かなり馴染みのある例が多いので、理解しやすいのではないでしょうか?もし英文でわからない単語があっても、これらの接尾辞がついていたら、それを省いて元の語の意味に「〜的な」とか「〜っぽい」とかなんとなく形容詞を作ってみたら、大体意味は合っています。日本語と英語なんて意味が完全一致するわけではないので、それでOKです。

副詞を作る接尾辞

接尾辞意味
-ly(副詞化)slowly(ゆっくりと)
quickly(すばやく)
surprisingly(驚いたことに)

副詞を作る接尾辞。これはもう「ly」一択です。基本的には形容詞に「-ly」をつけて、副詞化します。どんな形容詞でもOKです。beautiful(美しい)はbeautifully(美しく)、wide(広い)はwidely(広く)のような感じです。中にはdaily(毎日)、weekly(毎週)など名詞+lyのものもありますが、これらは形容詞としても使えるようになっています。daily life、weekly newsなど。

もちろん、fast、often、sometimesなど、元々副詞の英単語もあるのでこちらも忘れずに覚えていきましょう。

使える場所も、先に書いたように自由度が高いので、僕は副詞が好きです。会話の中で文章全体を強調したかったりする際に、とっさに副詞を挟み込んだりしていきいきとした表現ができるからです。

副詞は英語でadverbと言って、動詞(verb)に付くと言うのが語源です。動詞を修飾する場合は、動詞の後につけて「He runs fast everyday.(彼は毎日速く走る)」とか、「The bird flew beautifully.(その鳥は美しく飛んだ)」などになるので使う場所に気をつけてくださいね。

接頭辞(prefix)で推測しよう

さて、僕も書いていてお腹いっぱいになってきましたが、後もう一息、今度は単語の前につける接頭辞(prefix)の方も見ていきましょう。

これは品詞を変える用法はあまりなくて、意味を付け足したり否定したりする使われ方をします。

接頭辞意味
un-否定unclear(はっきりしない)
unbelievable(信じがたい)
anti-反するantitrust(独占禁止の)
antivirus(ウイルス対策の)
dis-反対disadvantage(不利)
dislike(嫌い)
de-下降decrease(減少する)
depress(憂鬱にする)
in-/im-/il-/ir-否定invisible(不透明の)
impossible(不可能な)
illegal(違法な)
irregular(不規則な)
mis-誤ってmislead(迷わせる)
misunderstand(誤解する)
bi-2つのbicycle(自転車)
bilingual(二か国語を話す)
tri-3つのtricycle(三輪車)
triangle(三角形)
co- 共にcoworker(同僚)
cooperate(協力する)
uni-単一のuniform(おそろいの)
unify(統一する)
inter-間のinternational(国際的な)
interface(接点)
in-中のinside(内部の)
inhale(吸い込む)
out-外のoutside(外部の)
outdoor(屋外の)
ex-外へexhale(吐き出す)
extend(拡張する)
extra-超えたextravagant(贅沢な)
extraordinary(とびきりの)
over-超えてoverflow(あふれる)
overtime(残業)
fore-あらかじめforecast(予想する)
foretell(予告する)
en-/em-〜する(動詞化)enjoy(楽しむ)
empower(力付ける)
re-再びreuse(再利用)
rebirth(復活)
pro-前にproceed(続行する)
proactive(前向きな)
pre-前のprepay(前払いする)
preview(プレビュー)
post-後のpostpay(後払いする)
postpone(延期する)

どうでしょうか?結構見慣れた接頭辞が多くて、「なるほど、そういえば他にも。。」なんて思いつくことがあったかと思います。

注意としては、例え上記(de-とか)で始まる英単語でも、全く接頭辞に関係なかったりします。英単語の数は非常に多いですからね。でも、語源を考えながら覚えると単にアルファベットの綴りに見えていたものが、意味のあるものに見えてきて、とても覚えやすいと思います。

接頭辞と接尾辞を応用しよう

いろいろ見てきましたが、結構知っている英単語の多くが、こういった接頭辞、接尾辞がついていて、あらためてなるほどなぁと感じた方もいるのではないでしょうか?もちろん、ここに書いたのはほんの一例です。紹介しきれなかった接頭辞、接尾辞はまだまだたくさんあるので、日々のスキルアップの中で少しずつ見つけていってほしいと思います。

今後は英文の中で、小難しい知らない英単語が出てきても、ちょっと落ち着いて分析してみませんか?長い難しい単語ほど、こう言った要素が複数結びついて出来ていますよ。

ではちょっと、問題を出してみますね。答えは次の段落で書きますので、意味を推測することにチャレンジしてみてください。

expansion、disorganization、endanger、judgmental、irreplaceable、intergovernmental、impersonal、dramatically

正解は次の通りです。expansion(拡大)、disorganization(組織の解体)、endanger(危険にさらす)、judgmental(判断の)、irreplaceable(取りかえられない,掛けがえのない)、intergovernmental(政府間の)、impersonal(非個人的な,客観的な)、dramatically(劇的に)

まとめ

いかがでしたでしょうか?今回は以前「英語をマスターする近道」というタイトルで、英語を楽しく効率的に身につけるためのポイントを紹介した中の「スキル:基礎力をつけながら、読む、書く、話す、聞くを日々継続する」の要素である語彙力(=英単語を身につける力)について、2つ目のテクニックである「英単語は品詞と接尾辞/接頭辞で効率よく覚える」というテーマでお話しさせてもらいました。

  • 文法が命の英語においては語順が超重要
  • 品詞を意識して英単語を頭の中に整理する
  • 品詞によって文章の中で使う位置が違うので、直感的に正しい語順や違和感を感じるようになる
  • 動詞を見つけると、主語と目的語も把握できる
  • 接尾辞・接頭辞で意味を推測できるようになる
  • 難しい英単語ほど複数の接尾辞・接頭辞の組み合わせなので、焦らず考える

前回、僕が実際にやって効果的だった英単語を身につけるテクニックの1つ目「英単語本は買わずに無料英語サイトで英単語を身につける」を紹介しましたが、そちらのテクニックも合わせて、英単語を定着させていってもらえればと思います。

今度は基礎力について、発音編を書いていこうと思います。こちらもお楽しみに!

それでは長い文章を読んでいただいて、本当にありがとうございました!

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